アパートで一人暮らしをしていた方が亡くなった場合、遺品整理と同時に退去手続きを進める必要があります。
しかし実際には、
・まず管理会社に連絡するのか
・退去手続きは誰が行うのか
・遺品整理はいつ行うのか
・退去費用はいくらくらいかかるのか
など、分からないことが多く戸惑う方も少なくありません。
この記事では、アパートの遺品整理から退去までの一般的な手順を順番に整理し、あわせて**退去費用の目安(2DKの場合)**についてもわかりやすく解説しています。
これから遺品整理と退去手続きを進める方が、全体の流れと費用のイメージをつかめるよう、実務に近い形でまとめました。
アパートの遺品整理を中心にまとめた解説ページは下記を参考にしてください
遺品の整理から退去の流れ基本プロセス
管理会社への連絡 → 解約 → 遺品整理 → 明け渡し
という流れで進むのが一般的です。室内の状況に問題がない場合は、手続き自体は比較的シンプルで、引越しの場合と同じように進められ費用も最小限で済むケースが多くなります。
早めに管理会社へ連絡し、退去までの段取りを確認しておくことが、負担を抑える一番のポイントになります。
アパートで遺品整理を行い退去ステップごとの進め方
① 管理会社・大家へ死亡の連絡
(死亡直後〜数日以内)
まず、入居者が亡くなったことを管理会社または大家へ連絡します。
連絡は電話やメールで問題ありません。
多くの場合、病院・警察・親族などから管理会社へ情報が伝わることもありますが、相続人や保証人から早めに連絡しておくと、その後の手続きがスムーズになります。
この段階では主に次の点を確認します。
・入居者が亡くなった事実
・部屋の状況
・鍵の所在
・今後の退去手続きの進め方
室内で亡くなっていない場合は、警察の現場検証などは通常必要ありません。
② 相続人の確認と連絡
(1週間〜1か月程度)
次に、誰が退去手続きを進めるのかを確認します。
管理会社は契約書をもとに
・連帯保証人
・緊急連絡先
へ連絡を取り、相続人の確認を行います。
実際には、相続人側から管理会社へ連絡するケースが多いです。
相続人が複数いる場合は
・誰が退去手続きを進めるか
・代表者を決める
などを相続人同士で話し合いしながら確認・決めていきます。
また、この段階で相続放棄を検討するケースもあります。
相続放棄を行う場合は家庭裁判所で手続き(死亡を知ってから3か月以内)が必要になります。なお、相続放棄をしても連帯保証人の責任が残る可能性がある点には注意が必要です。
③ 解約の申し入れと退去日の決定
(連絡後すぐ〜1か月以内)
相続人または保証人が管理会社へ解約の意思表示を行います。
書面で「解約通知書」を提出する形が一般的です。
多くの賃貸契約では
「解約は1か月前予告」
という条件になっています。
そのため、解約連絡から退去日までは通常1か月程度の期間が必要になります。多くの場合月末でなく月の途中の解約が可能です。ただし死亡による退去の場合、状況によっては予告期間の短縮を相談できるケースもあります。
一般には管理会社と相談しながら**明け渡し日(退去日)**を決めます。
注意したいのは
家賃は死亡後も明け渡し完了まで発生する
という点です。
退去が遅れるほど家賃負担が増えるため、早めの判断が大切になります。
④ 公共料金や各種契約の停止
(並行して進める)
退去準備と並行して、各種契約の停止手続きも進めます。
主なものは次の通りです。
・電気
・ガス
・水道
・インターネット
・NHK
・携帯電話など
退去日まで使用する場合は、その日を解約日として設定することも可能です。電気・水道については、退去日に設定して解約を進めるのがよいでしょう。また、必要に応じて郵便局で郵便物の転送手続きを行うこともあります。
⑤ 遺品整理・残置物の片付け
(退去日までに完了)
室内の家財を整理し、部屋を空にする作業です。方法は大きく分けて2つあります。
自分で片付ける場合
・自治体の粗大ごみ
・リサイクルショップ
・不用品回収
などを利用します。
遺品整理業者に依頼する場合
・見積り
・作業日決定
・搬出作業
という流れになります。
アパートの場合、荷物量にもよりますが、費用の目安は
5万円〜20万円程度ですむのが一般的です。
なお、通帳・保険証・重要書類などは相続手続きに関係するため、整理前に確認しておくことが重要です。
⑥ 備え付け設備の確認(撤去前の重要ポイント)
遺品整理を行う際には、備え付け設備を誤って処分しないよう注意が必要です。片付け撤去を行う方が契約者ご本人でないわけです。入居時の様子その後の様子を知りませんので慎重に進めないと間違いを起こしてしますます。
アパートでは次のような設備が大家や管理会社の所有物になっていることがあります。
・エアコン
・温水便座
・照明器具
・給湯器リモコン
・物干し金具
・カーテンレールなど
これらを誤って撤去してしまうと、弁償費用が発生する可能性があります。そのため遺品整理を始める前にどこまでが入居者の家財なのかを賃貸契約書で確認または管理会社へ確認しておくことが大切です。
⑦ 部屋の清掃と原状回復
遺品整理が終わった後は、退去前の清掃を行います。
通常は
ハウスクリーニング(2〜5万円程度)で対応できるケースが多く、室内で亡くなっていない場合は特殊清掃は必要ありません。また、原状回復費用については国土交通省のガイドラインにより
・経年劣化
・通常使用による傷
は基本的に大家側の負担になります。
相続人側が負担するのは
・故意の破損
・過失による損傷
などがある場合で、費用は0〜5万円程度になることが多いです。
⑧ 鍵の確認と敷地内の残置物
退去前には次の点も確認しておきます。
鍵の確認
鍵が見つからない場合は
・解錠
・シリンダー交換
などが必要になり、数万円の費用が発生することがあります。
敷地内の残置物
アパートでは次のものが残っていることもあります。
・駐車場の車
・駐輪場の自転車
・ベランダの物
・物置の荷物
これらが残っていると退去扱いにならない場合があるため、部屋と合わせて撤去しておく必要があります。
⑨ 退去立会い・鍵返却・最終精算
(退去日)
最後に、管理会社または大家と退去立会いを行います。立ち会いの無い場合も多くあります。この場合は管理会社へカギの返却で室内を空にしたこと、公共のょう金の清算を済めせたことなどを伝えて終了になります。
主な確認内容は次の通りです。
・室内の状態確認
・未払い家賃
・原状回復費用
・敷金の精算
問題がなければ
鍵を返却して解約完了となります。
その後、精算書が発行され、敷金との差額を
・返金
または
・追加請求という形で清算します。
管理会社はどのようにして調べる?
管理会社は、次のような方法で確認できることが多くなります。
・賃貸契約書に記載されている管理会社
・家賃の振込先の会社名
・アパートの掲示板や入口の管理表示
・大家さんや近隣住人からの情報
まずは賃貸契約書を確認するのが一番確実です。
アパートの退去全費用の目安(2DKをモデルに算出)
ここでは、一人暮らしの方が部屋以外で亡くなり、室内に遺体や腐敗・汚染がないケースを前提に、アパート退去にかかる費用の目安をまとめています。掲載している金額は、一般的なアパート退去を想定した平均的な目安です。間取りによって費用は変わり、1DKの場合はやや低く、3DKの場合はやや高くなる傾向があります。
そのため、ここで紹介する費用はアパート退去費用の平均的な目安として参考にしてください。このようなケースでは特殊清掃が不要なため、通常の退去とほぼ同じ費用水準になることが多く、比較的負担を抑えやすい状況です。
ただし費用は
・部屋の広さ
・家財の量
・居住年数
・地域
・建物の管理条件
などによって変動します。
また原状回復については、国土交通省のガイドラインにより経年劣化は大家負担となるため、借主側の負担は限定されるのが一般的です。ここでは退去費用を、実際の手続きに沿って4つの項目に分けて整理しています。
① 大家さんに支払う費用
(原状回復・クリーニング・家賃など)
まず、管理会社や大家へ支払う費用です。
多くの場合は敷金から差し引かれる形で精算されます。
ハウスクリーニング
水回り・床・窓などの標準清掃です。
相場:4〜8万円
2DK(40〜50㎡程度)の場合、この範囲に収まることが多く、汚れが少ない場合はさらに安くなることもあります。
原状回復工事費
壁紙の一部張替えや床の補修などです。
相場:0〜10万円
ただし次のようなものは、基本的に大家負担になります。
・日焼けによる壁紙の変色
・家具の設置跡
・経年劣化
そのため、部屋の状態が標準的であれば費用が発生しないことも多いです。
未払い家賃
賃貸契約は死亡しても終了しないため
死亡日から明け渡し完了まで家賃が発生します。
例えば
家賃7〜10万円の場合
退去まで1か月なら
7〜10万円程度
となります。
相続人が早く対応すれば、この費用を最小限に抑えることができます。
その他費用
状況によって発生する費用です。
・鍵交換費用
・退去立会い費用など
相場:5千円〜2万円
大家さん側に支払う退去費用目安
5〜20万円程度
標準的なケースでは
10万円前後
になることが多いです。
敷金がある場合は、この費用と相殺されます。
※ここで紹介している金額は一般的な事例をもとにした参考目安です。実際の費用は、居住年数、部屋の状態、契約内容、地域、管理会社や大家さんの精算基準などによって変わることがあります。最終的な退去費用は、管理会社または大家さんから提示される退去精算書の内容に基づいて決定されます。なお、精算内容に不明点や不服がある場合は、管理会社や大家さんへ説明を求めることができます。契約内容や国土交通省の「原状回復ガイドライン」を参考に確認し、必要に応じて話し合いで整理することになります。
② 公共料金などの精算
死亡後に停止・解約する契約です。
相続人側が各社へ連絡して手続きを行います。
電気・ガス・水道
退去日までの使用分と基本料金です。
相場:数千円〜2万円
死亡後すぐ停止すれば、費用は最小限になります。
通信・契約サービス
・インターネット
・NHK
・携帯電話
・新聞など
相場:数千円〜1万円
解約手数料が発生する場合もあります。
公共料金などの合計目安
1〜3万円
早めに停止手続きを行えば
1万円未満になるケースもあります。
③ 遺品整理・残置物処分費用
家具・家電・私物などを搬出し、部屋を空にする作業です。
ここの計算例のモデルでは室外でお亡くなりになったケースでご案内しているため
・腐敗物
・特殊清掃
などが対象から外しているので作業は比較的簡単になります。
遺品整理費用
相場:12〜25万円(2DK)
です。遺品の量・階段作業の条件などを考慮され料金が決まります。
また
・粗大ごみを自分で出す
・リサイクルショップを利用する
など一部を自分で対応すると
5〜10万円程度まで抑えられることもあります。
④ その他発生する可能性がある費用
状況によって発生するものです。
・戸籍取得などの相続手続き費用
(数千円〜数万円)
・司法書士・行政書士への依頼費用
・不用品買取
(家電などが売れると費用を相殺できることがあります)
・火災保険の解約精算
(数百円〜数千円)
・遠方からの立会い交通費
(数千円〜1万円)
2DKアパート退去費用の総額目安まとめ
すべてを合計した概算です。
アパート退去費用の一覧(目安)
| 費用項目 | 目安金額 |
|---|---|
| ハウスクリーニング | 4〜8万円 |
| 原状回復 | 0〜10万円 |
| 未払い家賃 | 7〜10万円(1ヶ月例) |
| 鍵交換など | 0.5〜2万円 |
| 公共料金精算 | 1〜2万円 |
| 通信・契約解約 | 数千円〜1万円 |
| 遺品整理 | 9〜25万円 |
合計目安として20〜45万円
これはあくまで一般的な事例をもとにした参考目安です。実際の費用は、家財の量や部屋の状態、契約内容などによって変動するため、最終的な金額は管理会社や大家さんから提示される退去精算書で確認することになります。
退去費用を抑えるポイントは4点です
実務的には次の4つが重要です。
・死亡後すぐ管理会社へ連絡する
・退去日を早めに決める
・自分たちでできるだけ遺品整理を進め廃棄する
・遺品整理は複数社で見積もりを取る
これだけでも、退去費用は大きく変わります。
特に家賃は退去まで発生するため、早めに段取りを決めることが最も大きな節約になります
退去にかかる費用は誰がどのように支払うのか
相続財産 → 一時立替 → 財産から精算 → 相続人で整理
アパートの入居者が亡くなり、遺品整理を行って退去する場合、未払い家賃や遺品整理費用、原状回復費用など、いくつかの費用が発生します。では、これらの費用は誰がどのように支払うのでしょうか。
基本的には、故人が残した財産(相続財産)から支払うという考え方になります。預金や現金などがある場合は、その中から退去にかかる費用を精算するのが一般的です。
ただし実際の退去では、遺品整理や退去期限の関係で時間に余裕がないことも多く、相続人や連帯保証人が一時的に費用を立て替えて支払うケースも少なくありません。その場合は、後から故人の預金などの相続財産から控除して精算する形になります。
もし相続財産だけでは費用を支払いきれない場合は、相続人同士で話し合い、負担方法を決めることになります。代表者が支払った費用を相続人間で分担するなど、話し合いによって整理されることが一般的です。
なお賃貸契約では、連帯保証人が設定されていることが多く、未払い家賃などが残っている場合には、契約内容に基づき管理会社が連帯保証人へ連絡することもあります。
このように、アパートの退去費用は一人がすべて負担するというより、相続財産・相続人・保証人の関係の中で整理されながら支払われるのが一般的です。まずは管理会社へ状況を伝え、退去までの流れと費用の整理方法を確認しながら進めることが大切です。
当社でお役に立てること|遺品整理と退去に関するサポート
遺品整理では、家財の整理や廃棄だけでなく、退去に関する実務も同時に進める必要があります。実際の現場では、次のような確認や手続きが必要になることも多くあります。
・公共料金の契約先や精算先の確認
・郵便物などから契約関係の調査
・レンタル品・リース品の有無のチェック
・管理会社への鍵の返却や退去の段取り
当社では、遺品整理の作業とあわせて、このような退去に関する確認作業も整理しながら進めています。
お問い合わせは お電話・メールフォーム・LINE から受け付けています。
退去期限がある場合や、遠方で立ち会いが難しい場合なども含め、状況をお聞きしたうえで進め方をご案内しています。まずは現在の状況をご相談ください。
アパートの遺品整理と退去に関するよくある質問
アパートの入居者が亡くなった場合、遺品整理や退去について多くの方が同じ疑問を持たれます。ここでは実際によくある質問をまとめました。
Q1 入居者が亡くなったらすぐ退去しなければいけませんか?
すぐに退去しなければならないわけではありません。
一般的には
管理会社への連絡
→ 解約手続き
→ 遺品整理
→ 明け渡し
という流れで進みます。
多くの賃貸契約では解約1か月前通知になっているため、退去までは1か月程度の準備期間があります。
Q2 遺品整理をしないと退去できませんか?
基本的には部屋を空にして明け渡す必要があります。
家具・家電・私物などの家財が残っている場合は、退去扱いにならないことが多いため
・自分で処分する
・遺品整理業者に依頼する
などの方法で室内を整理しておく必要があります。
Q3 退去費用は誰が支払うことになりますか?
退去費用は原則として故人の相続財産から支払う形になります。
ただし実際には
・相続人
・連帯保証人
が一時的に立て替えるケースも多く、その後相続財産から精算されることがあります。
Q4 相続放棄をした場合はどうなりますか?
相続放棄をすると、相続人としての財産や債務の責任は引き継がなくなります。
ただし賃貸契約に連帯保証人がいる場合は保証人の責任が残る可能性があります。
また相続放棄をする場合でも、遺品整理や退去の対応が必要になるケースがあるため、管理会社と相談しながら進めることが大切です。
Q5 退去までどれくらいの期間がかかりますか?
一般的には
・管理会社への連絡
・解約手続き
・遺品整理
・明け渡し
まで含めて2週間〜1か月程度で退去するケースが多くなります。
遺品の量が多い場合や相続人の調整が必要な場合は、もう少し時間がかかることもあります。
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